井上死刑囚を証人尋問 危険認識の可能性指摘

 【共同】元オウム真理教信者高橋克也被告(56)の裁判員裁判が21日、東京地裁(中里智美裁判長)で開かれ、猛毒VX襲撃事件で実行グループの一員だった元教団幹部井上嘉浩死刑囚(45)の証人尋問が実施された。井上死刑囚は、高橋被告が事前にVXの危険性を知っていた可能性を指摘した。

 井上死刑囚は、高橋被告が起訴された2件の前にあった別のVX事件にも運転役として参加したと説明し「教祖の指示でポア(殺人)をすることを伝えた」と証言した。この事件の後、被害者の男性が集中治療室に運ばれたことも教えていたと述べた。

 高橋被告の公判で確定死刑囚が出廷するのは初めて。高橋被告は車の運転やVXをかけた別の信者を補佐したとされ、「人が死ぬ危険はないと思った」などと無罪を主張している。

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