ドイツに財宝返還求め提訴 ユダヤ人美術商の子孫

 【共同】ナチス・ドイツ時代に中世の財宝コレクションを不当に安く売却させられたとして、ユダヤ人美術商の子孫2人が23日、ドイツ政府などに返還を求める訴訟を米首都ワシントンの連邦地裁で起こした。DPA通信などが24日伝えた。

 財宝は11〜15世紀の金細工などで、ユダヤ人美術商4人が1929年に購入。現在はドイツの公益法人が管理しており、ベルリンの美術館に展示されている。子孫2人は少なくとも2億2000万ユーロ(約300億円)の価値があると見込んでいる。

 2人は美術商4人がナチスの圧力を受け、35年に財宝を本来の価格の3分の1程度で当時のプロイセン州に売却したとして、取引は違法で無効だと主張。弁護士は、ドイツ政府が財宝返還に応じないのは「歴史的責務に反している」と非難した。

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