アッヴィ、抗がん剤部門強化へ〜ファーマサイクリクスを買収

 バイオテク医薬品大手アッヴィ(AbbVie、イリノイ州)は、バイオテク抗がん剤メーカーのファーマサイクリクス(Pharmacyclics、カリフォルニア州)を約210億ドル(1株261.25ドル)で買収する。

 ロイター通信によると、ファーマサイクリクスは2008〜09年には株価が低迷し、1ドル以下で推移していたが、今は世界的なベストセラーとの期待が高い血液がん治療薬「インブルビカ(Imbruvica)」の開発で注目されている。

 アッヴィは13年、アボット・ラボラトリーズからスピンオフ(分離・独立)し、現在は関節リューマチ薬「ヒュミラ(Humira)」にほぼ全面依存しているが、同薬は17〜18年に売り上げの低下が見込まれる。今回の買収でアッヴィは事業の多角化が可能になり、17年までに大幅な収益上昇を見込んでいる。

 トムソン・ロイター・コーテリスがまとめたアナリスト予想によると、インブルビカの売り上げは15年に米国で10億ドル、20年までには世界で58億ドルに達すると見られている。ファーマサイクリクスはさらに3つの新薬候補を開発中。同社の買収では、インブルビカを共同販売するジョンソン&ジョンソン(J&J、ニュージャージー州)が最有力候補と見られ、ノバルティスも関心を持っていた。

 製薬業界では、ブランド薬の特許切れに伴い資産強化を狙った大型買収が続いており、最近では2月にファイザーがホスピラを約150億ドルで買収すると発表したほか、カナダのバリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナルは約100億ドルで米サリックス・ファーマシューティカルズを買収することに合意している。

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