米脱線、安全先送りのつけ 制御装置なし、補助金不足

 【共同】東部フィラデルフィアの鉄道旅客公社(アムトラック)列車脱線事故は13日、異常な速度超過が惨事を招いた可能性が強まった。自動列車制御装置が取り付けられていれば防げたとみられる。政府からの補助金不足も一因だが、アムトラックを含む業界が安全対策を先送りしてきたつけが回った形だ。

 列車は制限時速80キロのカーブに170キロという「正気と思えぬ」(フィラデルフィアのナッター市長)速度で突っ込んだ。米運輸安全委員会(NTSB)の担当委員は「(制御)システムがあれば、事故は起きなかった」と語った。

 政府は鉄道各社に主要路線における制御装置の年内設置を義務付けている。しかし、資金が必要になるため鉄道各社が先送りを求め、2020年までの延期が検討されている。

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