車の異音もAIが診断~自動車整備で新技術

自動車整備では長年、整備士がエンジンルームのさまざまな音を頼りに車の状態を判断してきたが、最近は人工知能(AI)が人の耳の役割をするようになっている。

◇人手不足の業界に朗報

オートモーティブ・ニュースによると、新興テクノロジー企業オートソニックス(AutoSonix、ペンシルベニア州ホワイトホール)が開発したプラットフォームは、AIでエンジン、ウォーターポンプ、排気系の音を解析して車両の不具合診断を支援する。この2月ラスベガスで開催された全米自動車ディーラー協会(NADA)のショーで、ディーラーの経営者やゼネラルマネジャーに初めて披露された。

この技術は、熟練技能者不足に悩む整備業界に変革をもたらす可能性がある。オートソニックスのプラットフォームは、機械音から診断用のデータを抽出して「測定可能な指標」に変換するため、特に音で状態を診断できるほど長年の経験を積んでいない整備士にとって役立つ考えられる。

2024年設立のオートソニックスは、従業員が15人。中古車オークションでツールの性能を試した後、ディーラーのサービス部門向けにAIを活用した診断プラットフォームの導入準備を進めており、今も製品の改良を続けている。

NADAによると、自動車業界は毎年約7万6000人の整備士を補充する必要があるが、専門学校や訓練プログラムの修了者は年間約3万9000人にとどまっている。

◇包括的な点検が可能に

電池で動くオートソニックスの装置は、エンジンやウォーターポンプ、排気管などが発する音を解析して異常の診断をする。大きさは標準的なパソコンのマウス程度で、使用を重ねることで学習し、精度を高めていく。操作手順はダウンロード可能なアプリが説明し、整備担当者はウェブブラウザを通じて音声データや車両履歴にアクセスできる。トム・アレンCEOによると、同社のプラットフォームを使えば、複数の車両に対する徹底した診断が可能になる。

約1年前から技術を試験導入している競売業者Trucks & Auto Auctions(アイダホ州拠点)のオーナー、ジョシュ・マサー氏は「問題の確認が容易になり、不具合のない車両についても自信を持って判断できるようになった。車のシステム検証や再確認にかかる時間は確実に短くなっている」と話す。

アリゾナ州でシボレーとフォードのディーラーを経営し、研修センター講師の経験もあるマーク・ハリス氏は「B級やC級の整備士がエンジンの作業をする時も、この製品を使えば工場長やほかの熟練技術者に意見を求める必要がなくなる」と、ツールの能力を認めている。

(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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