厚労省年金文書の件名偽装 送付メール、数十台感染

 【共同】日本年金機構の個人情報約125万件がサイバー攻撃で流出した問題で、機構に送付されたウイルスメールの件名は、厚生労働省が公表している年金関係の文書の見出しと同じだったことが2日、関係者への取材で分かった。このため機構の職員が信用してしまったとみられる。厚労省によると、感染したパソコンは計数十台に上る。

 また、流出情報の一部が東京都港区の企業のサーバーで見つかっていたことも捜査関係者への取材で判明。ほかにも複数のサーバーが悪用されていたとみられる。

 警視庁公安部は、不正指令電磁的記録供用などの疑いもあるとみて捜査。公的機関の情報を狙い、職員を誤って信じさせ添付ファイルを開かせたり外部リンクに誘導したりする「標的型メール」と呼ばれるサイバー攻撃とみて、職員への聴き取りや感染パソコンの解析を進める。短期間に集中してメールが届いており、国外からの組織的な攻撃の可能性もあるという。

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