東芝、豪州で大型受注を獲得 〜 再生可能エネルギーと蓄電に電池セルを供給

 オーストラリアのハイドロ・タスマニア(Hydro Tasmania)は、フリンダース島で進めている再生可能エネルギーと蓄電のプロジェクトで総額400万ドル近い仕事を発注し、電池セルを東芝から調達する契約を結んだ。

 同プロジェクトは、フリンダース島ハイブリッド・エネルギー・ハブと呼ばれている。島内の再生可能エネルギーの使用を大幅に増やし、高価なディーゼル燃料の使用を最大60%削減すると期待されている。

 クリーンテクニカ誌によると、「遠隔地のエネルギー・システムでは、ディーゼル燃料が最大の経費だ」「再生可能エネルギーを使うことは経済的に理にかなっている」と、プロジェクト責任者のサイモン・ギャンブル氏は話す。

 開発総額1288万ドルの同プロジェクトは、キング島再生可能エネルギー統合プロジェクトの成功に追随するかたちで進められている。キング島では、条件がそろえば再生可能エネルギーで島内のエネルギーをすべてまかなっている。

 ギャンブル氏によると、フリンダース島のプロジェクトはキング島と同様の技術を使い、風力発電と太陽光発電を既存のディーゼル発電所に接続して、フライホイールと電池の蓄電を併用する。

 「それらの技術の組み合わせによって、風が吹かないときや日照がない時間帯にも島のために安定的に発電できるようになる」と同氏は語っている。

 同プロジェクトの大型契約としては、電池セルを受注した東芝のほか、太陽光発電施設の設計と建設を受注したRFインダストリーズがある。

 また、ディーゼル無停電電源装置(DUPS)はヒッツィンガー(Hitzinger)が供給し、DUPSを収めるコンテナの製造と設置はサザン・プロスペクト(Southern Prospect)が請け負う。

 同プロジェクトは、オーストラリア再生可能エネルギー局から550万ドルの補助金を受けて進められている。

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