NRGエネルギー、ルーシッドと提携 〜 建物管理「ビルディングOS」を提供へ
- 2015年8月3日
- 環境ビジネス
エネルギー大手のNRGエネルギーは、建物管理システムを開発するルーシッド(Lucid)と提携した。
ルーシッドは、エネルギー情報を集めて表示するダッシュボードを他社に先駆けて10年以上前に開発した。最近では、独立した複数の建物管理システムから情報を引き出して統合する「ビルディングOS」というソフトウェアを開発しており、ベンチャー・キャピタルから2300万ドル以上をすでに調達している。
グリーンテック・メディアによると、NRGは、商業および産業顧客向けに提供する製品の一つとしてルーシッドのビルディングOSを自社システムに組み込む。2015年末までに顧客の事業所2500ヵ所にビルディングOSを導入したい考えだ。
2社の提携関係は、大型プロジェクト開発を専門とするNRGの新事業部門NRGリニュー(NRG Renew)が主導する。NRGリニューの技術革新担当上級副社長ロビン・ビーバーズ氏は、ルーシッドのビルティングOSが業界向けカスタマイズ製品の「基幹製品」になると説明している。
「エネルギー業界はきわめて分散しており、エネルギー・ソリューションの大規模のカスタマイゼーションが求められるようになっている」「ビルディングOSのデータによって当社の戦略に情報がもたらされる」と同氏は話している。
ビルディングOSはこれまでに米国内で5000棟以上の建物を統合してきた。160種類の技術を一つの監視プラットフォームにまとめている。
「顧客のあいだで自家発電への関心が高まっており、スマート・メーターのデータ、エネルギー管理システムのデータ、サブメーターのデータにもアクセスしたいと考える顧客が増えている」「カリフォルニア州では水道データに対する要請も多い」「それらを総合的に見えるようにすることが重要だ」と、ルーシッドのヴラディ・シュントロフ最高経営責任者(CEO)は話している。
NRGは2014年に、NRGホームとNRGビジネス、そしてNRGリニューの3部門に分社した。住宅所有者と商業顧客向けの「パーソナライズド電力」を主要戦略に掲げて、自家発電とその管理ソフトウェアの統合に重点を置いている。
NRGは過去1年半ほどのあいだに買収と提携を積極的に行ってきた。特に太陽光発電市場では、ルーフ・ダイアグノスティクス・ソーラー(Roof Diagnostics Solar)、ピュア・エネルギーズ(Pure Energies )、ゴール・ゼロ(Goal Zero)を買収している。
2011年にはソーラー・パワー・パートナーズ(Solar Power Partners)を買収した。最近では、ネクスト・ステップ・リビング(Next Step Living)の太陽光事業部門の買収準備を進めているという憶測もある。エネルギー効率化市場ではエコファクター(EcoFactor)に出資している。
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