NRGエネルギー、ルーシッドと提携 〜 建物管理「ビルディングOS」を提供へ

 エネルギー大手のNRGエネルギーは、建物管理システムを開発するルーシッド(Lucid)と提携した。

 ルーシッドは、エネルギー情報を集めて表示するダッシュボードを他社に先駆けて10年以上前に開発した。最近では、独立した複数の建物管理システムから情報を引き出して統合する「ビルディングOS」というソフトウェアを開発しており、ベンチャー・キャピタルから2300万ドル以上をすでに調達している。

 グリーンテック・メディアによると、NRGは、商業および産業顧客向けに提供する製品の一つとしてルーシッドのビルディングOSを自社システムに組み込む。2015年末までに顧客の事業所2500ヵ所にビルディングOSを導入したい考えだ。

 2社の提携関係は、大型プロジェクト開発を専門とするNRGの新事業部門NRGリニュー(NRG Renew)が主導する。NRGリニューの技術革新担当上級副社長ロビン・ビーバーズ氏は、ルーシッドのビルティングOSが業界向けカスタマイズ製品の「基幹製品」になると説明している。

 「エネルギー業界はきわめて分散しており、エネルギー・ソリューションの大規模のカスタマイゼーションが求められるようになっている」「ビルディングOSのデータによって当社の戦略に情報がもたらされる」と同氏は話している。

 ビルディングOSはこれまでに米国内で5000棟以上の建物を統合してきた。160種類の技術を一つの監視プラットフォームにまとめている。

 「顧客のあいだで自家発電への関心が高まっており、スマート・メーターのデータ、エネルギー管理システムのデータ、サブメーターのデータにもアクセスしたいと考える顧客が増えている」「カリフォルニア州では水道データに対する要請も多い」「それらを総合的に見えるようにすることが重要だ」と、ルーシッドのヴラディ・シュントロフ最高経営責任者(CEO)は話している。

 NRGは2014年に、NRGホームとNRGビジネス、そしてNRGリニューの3部門に分社した。住宅所有者と商業顧客向けの「パーソナライズド電力」を主要戦略に掲げて、自家発電とその管理ソフトウェアの統合に重点を置いている。

 NRGは過去1年半ほどのあいだに買収と提携を積極的に行ってきた。特に太陽光発電市場では、ルーフ・ダイアグノスティクス・ソーラー(Roof Diagnostics Solar)、ピュア・エネルギーズ(Pure Energies )、ゴール・ゼロ(Goal Zero)を買収している。

 2011年にはソーラー・パワー・パートナーズ(Solar Power Partners)を買収した。最近では、ネクスト・ステップ・リビング(Next Step Living)の太陽光事業部門の買収準備を進めているという憶測もある。エネルギー効率化市場ではエコファクター(EcoFactor)に出資している。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る