マースク、IoTを海運に活用 〜 冷蔵コンテナの状況をAT&Tの技術で追跡

 輸送量で世界最大のコンテナ海運会社マースク・ライン(Maersk Line、バージニア州拠点)は9月30日、腐る商品を輸送する冷蔵コンテナの機能状態を世界規模で追跡するために、AT&Tの機器と技術を採用することを明らかにした。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、オランダの運輸大手APモーラー=マースク(A.P. Moller-Maersk)の子会社であるマースク・ラインは、同社が所有する29万本の冷蔵コンテナ(業界では「リーファー・ボックス」、冷蔵車として知られる)に、AT&Tが提供するSIMカードやGPS基板、無線通信機能、アンテナを取り付け、コンテナ輸送船で移動中の冷蔵コンテナ内の状態を監視する計画。

 冷蔵コンテナは、生肉から果物、野菜まで、さまざまの生鮮食料品を運んでいる。マースク・ラインが世界中で運ぶ冷蔵コンテナは年間約85万本。それらの大部分を占めるのは、欧州からの生鮮食料品や生花をはじめ、アフリカからの野菜、南米からの生肉と果物だ。

 これまでは、輸入業者の供給網管理担当者らがコンテナの冷蔵機能を自分の手で確認してきた。マースク・ラインとAT&Tの合意によって、供給網管理者らはその作業から解放される。

 両社の合意はまた、腐る商品の輸送に関してモノのインターネット(IoT=Internet of Things)を活用した業務効率化として世界最大級でもある。

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