複雑化するストレージに朗報 〜 クラウデラとマイクロソフト、解消策を発表

 大規模データ(big data)分析の重要性が認識される一方で、さまざまのツール群が市場に氾濫したことから、利用者たちに混乱をもたらしている。多種多様のデータ分析システムは複雑さをさらに増し、そのため、技術者の大きな負担になっている。

 クラウデラ(Cloudera)とマイクロソフト(Microsoft)は、そういった問題を解決すべく、新たなストレージ・システムをそれぞれに発表した。

 フォーチュン誌によると、クラウデラの新しいストレージ・システム「クードゥ(Kudu)」は、複数の異なるストレージ・システムをハドゥープ(Hadoop)環境で一元的に利用および管理できるようにする。

 ストレージ・システムには、大容量のデータを蓄える機能を持つものから、大容量の履歴データをリアルタイムで検索するために蓄える機能、そしてデータベースを高速化するためにデータを一時的に蓄える機能のように、多くの種類と規模がある。従来は、それらのストレージ機能のあいだに大きな隔たりがあった。

 クードゥはそれらの機能を一括管理し、新しいデータが届くと同時に、システムをリアルタイムで更新できるようにする。

 クードゥは、クラウデラに投資するインテル(Intel)とクラウデラが共同開発したことから、インテルの技術と構成品を利用できるほか、ストレージにRAMとフラッシュ・メモリーの両方を利用できる。

 一方、マイクロソフトは、ストレージ・システムの新版であるアジュール・データ・レイク・ストアー(Azure Data Lake Store)を発表した。

 同システムは、ハドゥープを基盤にして構築されているが、ビングやオフィス365、エックスボックス・ライブといったマイクロソフトの各種サービスで利用されているストレージ・システム「コスモス(Cosmos)」と同じ設計仕様を採用している。

 アジュール・データ・レイク・ストアーは、大量の生データを取り込み、アパッチ・スパーク(Apache Spark)やマイクロソフトのハドゥープ・サービス「HDインサイト」といったツールを使って処理できるようにする。

 マイクロソフトはさらに、データ分析サービスのアジュール・データ・レイク・アナリティクスも発表した。従来のSQLと利用者が独自に作成したコードを組み合わせて利用できるのが特徴だ。

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