ディーゼル車の米発売先送り〜マツダ、VWの排ガス不正で

 フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題を受け、マツダが予定しているディーゼル車の米市場への投入が先送りされる見通しだ。

 ロイター通信によると、マツダで研究開発(R&D)を指揮する藤原清志常務執行役員は29日、同社がディーゼル車の米発売を断念したという一部の報道を否定した。藤原常務はその一方で、米政府による排ガス・燃費試験の強化が予想されることから、当初計画していた2016年の発売は延期になる公算が大きいとの見方を示した。

 ディーゼルは特に欧州自動車メーカーの間で、規制強化に対処する上で重要な技術と考えられてきたが、VWの不祥事で各社の立場は弱くなっている。

 このほど開幕した東京モーターショーの会場で取材に応じた藤原氏は、試験方法の変更について米当局からの連絡はないと話しながら、「当局はもはや企業を信用せず、何も言ってこない。延期は大いにあり得る。どの程度遅れるかはまったく分からない」と述べた。

 それでも、会場を訪れた各メーカー幹部は、VWスキャンダルを機にディーゼルが市場から姿を消すことはないと口をそろえた。トヨタ自動車の豊田章男社長は「ディーゼルにはメリットがある」「スキャンダルがディーゼルの終わりにつながるようなことはあってはならない」と語った。

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