米国の広い範囲で21日に観測される皆既日食が太陽光発電に及ぼす影響を、電力会社や給電網運営会社は注視している。皆既日食は代替エネルギー発電時代の最大のテストとなりそうだ。
ロイター通信によると、電力関連会社は何年も前から、日食の時間やその間の発電量の落ち込みを試算し、需要への影響を模擬実験し、補助電源をいくつも用意するなど、今回の皆既日食の準備を進めてきた。代替エネルギー発電量が相当の幅で変動する場合の管理能力の訓練として、各社はこの天体ショーを重視している。
北米電力信頼性評議会(NERC)によると、2000年に5メガワット(MW)だった米国の太陽光発電量は、現在4万2600MWを超え、ピーク需要の約5%を占めている。次に米国で日食が起きる24年には全米発電量の14%を占めると推定される。
カリフォルニア州の送電系統を管理するカリフォルニア独立系統運用機関(CAISO)のスティーブン・グリーンリー広報担当者は「以前にも試験は行われたが、これほど大規模ではなかった」と話した。CISOによると、同州の通常の太陽光発電力は8800MWだが、皆既日食のピークには3100MWに減少し、その後日光が強まるにつれて9000MW超へと急回復すると予想される。
CISOは今回の準備に当たり、15年にドイツで起きた日食で独電力事業者らがどのように対応したかも調査した。その結果、グリッド管理者に対し、通常準備する補助電力250MWに200MWを追加するよう促している。グリーンリー広報によると、CISOは「日食の間、太陽光が弱まることで発電力が毎分約70MW落ち、その後は毎分約90MWで回復する」と計算している。
電力会社はサービスが中断することはないと見ているが、問題が発生した場合、消費者には電気の使用を諦めるよう求める準備も進めている。サンディエゴ・ガス&エレクトリックのキャロライン・ウィン最高執行責任者(COO)は「当社は、ソーラー発電量が大幅に落ちても需要を満たすのに十分な資源を確保していることを強調したい」と述べた。東部の電力会社には、西側の電力会社の動きを見ながら対応するだけの時間的余裕がある。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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