母国への仕送り伸び悩み〜移民、不況や取り締まり強化で

 米経済の回復の遅れ、新移民の減少、強制送還の増加などを受け、中南米やカリブ諸国出身の移民が世界中から母国の家族に送る仕送り額が伸び悩み、2012年の増加率は1%未満にとどまった。

 ウォールストリート・ジャーナルが伝えた米州開発銀行(IDB)の最新報告書によると、12年に世界中から中南米・カリブ地域へ送られた現金は総額613億ドルで、最高を記録した08年の650億ドルから大幅に減少した。ただし、米国の建設業界の回復や移民法改革で、今後14年にかけては送金額が増える可能性もあるとみられている。

 同地域のうち、米国からの仕送りが最も多いのはメキシコ、グアテマラ、エルサルバドル、ホンデュラスで、いずれも海外からの仕送りの約4分の3を占めている。

 送金額は02〜08年に年平均17%のペースで増えていたが、リセッション(景気後退)で激減した。10年には下げ止まり、11年は少し回復したが、12年は再び伸びが停滞した。

 地域別の12年の送金額は、アンデス諸国出身者の多くが欧州、特に経済低迷が続くスペインで働いているため、南米向けが前年比で1.1%減少した。ブラジル向けは19億ドルで、ドル建てでは1%増だったが、地元通貨では12%増となった。メキシコ向けの送金も、ドル建てでは1.6%減少したが、地元通貨では横ばいだった。中米向けは6.5%増加した。

 オバマ政権は1期目に過去最高となる150万人の移民を米国から強制送還しており、12年は最も多いメキシコ経由の新移民が3%減少した。これを受け、米国からメキシコに向けた送金は13年2月に前年同月比で16億ドル減少している。

 しかし、移民の数は増えなくても、雇用情勢が改善すれば送金額は増える可能性が高い。また、連邦議会が移民法改革法案を可決すれば、不法労働者が合法滞在資格を得る機会が広がるためより良い職に就き、収入が増える可能性も高まる。

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