核設計図、ネット上に 米記者が危機強調

 【共同】核技術をイランや北朝鮮に拡散させた「核の闇市場」に詳しいワシントン・ポストのダグラス・フランツ記者が10日ニューヨークで講演し、闇市場関係者が持っていた核兵器設計図など大量の資料がインターネット上に保管されたと述べ、核技術は一度拡散すれば取り返しがつかないと危機を強調した。

 フランツ氏は、スイス人技師父子が闇市場に関与すると同時に米中央情報局(CIA)に協力していたことをスイス当局が約10年前につかみ摘発したのに、米国の圧力で大量の資料を廃棄せざるを得なかったと指摘した。書類1.9トン、デジタルデータは1.3テラバイトに及び、廃棄で闇市場の全容を解明する機会を失ったとした。

 息子の技師ウルス・ティナー氏が取材に対し、データはネット上に保存したと明かしたことを説明。タイのバンコクなど世界数カ所で同データの入ったハードディスクが当局に発見されたと述べ、核開発問題では「どんな小さな危険も見逃してはならず、一度の失敗も許されない」と訴えた。

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