日本だけ目標掲げず 温室効果ガスの削減
- 2013年8月20日
- 世界のニュース
【共同】2020年までの温室効果ガスの自主的な削減目標を掲げることに国際合意している15の先進国と欧州連合(EU)の中で、日本だけが目標を明示していない事態になったことが20日分かった。
新たな国際枠組みの成立を前提に目標を掲げていたニュージーランドが16日に、「1990年比で5%削減する」との無条件の目標を表明したため。日本の温暖化対策の遅れが際立つ形になり、政府内からは日本の国際的な信用低下が進むのを懸念する声が出ている。
日本の目標としては、民主党政権時代に掲げた「90年比25%削減」が登録されているが、東京電力福島第1原発事故を受けて政府は昨年までに見直しを国内外に表明し、実質的に白紙の状態が続いている。
政府は安倍晋三首相の指示で11月にポーランドで開かれる気候変動枠組み条約第19回締約国会議(COP19)に向けて新目標を検討しているが、排出量の推計に影響する原発稼働の将来見通しが不透明なことから、時期尚早との慎重意見がある。だが白紙状態の長期化で信用が失墜すれば「国益の損失だ」(環境省幹部)とする意見も多い。
中国やインド、ブラジルなど、目標を求められていない発展途上国の中にも、独自に表明している国がある。
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