洋上ガス液化施設が完成間近〜世界初、より大型の建造計画も
- 2013年12月3日
- 米国ビジネス
英蘭系エネルギー大手ロイヤル・ダッチ・シェルが進める世界初の洋上天然ガス液化事業(FLNG)の中核施設「プレリュードFLNG」が、このほど韓国の造船所で初めて海上に浮かべられた。
ロイター通信によると、プレリュードは海底から採取した天然ガスを液化して専用タンカーに積み込みアジアに輸送するための、巨大な船のような浮体式ガス液化設備。オーストラリア北西部の海岸から約200キロ沖のインド洋上に設置される予定。
船体は韓国のサムスン重工業が巨済島で建造している。全長約500メートルで、高層設備が密集するデッキの平面積はフットボール場4つ分、海で使われる船舶としては史上最大となる。設置場所はサイクロンの通り道として知られるが、そこで25年間以上機能するよう頑丈に設計されている。
完成はまだ先で、稼働開始は17年の予定。ガス生産量は香港程度の都市1つの消費量に匹敵するといい、最終的な建造コストは108億〜126億ドルが見込まれている。
FLNGは、陸上の液化施設と比べて土地購入の必要がない上、環境団体からの抵抗も少なく、冷却水は海から調達でき、輸送タンカーに直接パイプをつなげられるといった利点がある。採算が取れれば、はるか沖の小さな海底ガス田からも資源採取が可能になり、石油やガス業界の流れを大きく変える可能性がある。業界ではすでに、プレリュードより大きく頑強なFLNG施設の開発も計画されている。
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