インテル、クラウド向けの新販促策を開始 〜 ARM勢力拡大の阻止を狙う
- 2014年1月16日
- ハイテク情報
半導体大手インテル(Intel)は、同社製の半導体を搭載するパソコンに「インテル・インサイド(Intel Inside)」のステッカーを貼付する販促プログラムで一世を風靡しており、このほど、クラウド電算サービス事業者向けに同様の施策を実施することを明らかにした。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、同キャンペーンに参加するクラウド電算サービス事業者は、インテル製半導体内蔵のサーバーに「パワード・バイ・インテル・クラウド・テクノロジー(Powered by Intel Cloud Technology)」という新たな識別子を使えるほか、インテルから販促支援を受けられる。
業界専門家やインテルの競合他社は、インテルの狙いについて、サーバー向け半導体市場において競合社による英ARM設計基盤製品の勢力拡大を阻止するため、と分析する。
インテルによると、米国ラックスペース(Rackspace)やサヴィス(Savvis)、韓国KT、フランスOVHを含む16のクラウド電算サービス事業者がインテルの新プログラムに参加した。
クラウド・サービス最大手のアマゾン(Amazon)は2013年9月、同様の内容の提携をインテルと締結している。
インテルは同プログラムの目的を、クラウド・サービス利用希望者の混乱を防ぐためと説明。また、インテル製半導体だけを使用した場合、より優れたクラウド・サービスを提供できる、とアマゾンは発表している。
しかし、インテルと競合するアドバンスト・マイクロ・ディバイシズ(AMD=Advanced Micro Devices)は、サービス性能に関するインテルの主張を否定。クラウド・サービスにおけるアプリケーションの性能は、仮想マシン間のメモリーやディスク・ドライブといった電算資源の分散によって主に左右され、プロセッサーはほとんど関係ないと説明し、インテルに反論した。
一方、インテルの販促プログラムに参加するクラウド電算サービス事業者は、サービスの差別化に期待する。
サヴィスは、「(クラウド・サービス購入を検討中の企業に対し)我々のプラットフォームの基盤技術仕様に関する理解を助け、業務要件に最適な事業者の同定に役立つ」と、プログラム参加理由を説明した。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
米技術大手ら、メキシコでの製造拡大に注力 〜 台湾の技術製品メーカーらに熱心に働きかけ
-
2024年5月16日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
米国内都市圏の住宅所有者らは自然災害に要注意〜異常気象による損害危険の高い地域が明確に
-
2024年5月16日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ドライバーの過半数が「AVは怖い」~AAA調査
-
2024年5月13日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EVへの関心、ますます低下~消費者、メーカーの思惑に反し
-
インフルエンサーとブランドをつなぐプラットフォームで台頭 〜 ショップマイ、1850万ドルを調達
-
シンケイ・システムス、魚の活け締め技法を機械化 〜 完成に接近、鮮魚流通網に革新をもたらす可能性
-
ドキュサイン、インテリジェント契約管理サービスを発表 〜 電子署名ソリューション以外に事業を拡大
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開