グーグルの競合社から注目されるサイアノジェン 〜 モバイルOS市場に風穴を

 カリフォルニア州パロ・アルトの新興企業サイアノジェン(Cyanogen)は、マイクロソフト(Microsoft)やアマゾン(Amazon)といったグーグルの対抗勢力大手から関心を集めている。

 サイアノジェンは、マイクロソフトやアマゾンのほか、ヤフー(Yahoo)やサムスン(Samsung)に代表される技術業界大手による買収あるいは投資対象として最近注目される企業の筆頭となっている。

 シリコン・バレー・ビジネス・ジャーナルによると、アンドロイドOSの優秀な改良版を開発したことで知られるサイアノジェンは、サムスン電子のモバイル研究開発部門責任者だったスティーブ・コンディク氏が設立し、現在では、カーク・マクマスター氏が最高経営責任者(CEO)として指揮をとっている。

 同社はこれまで総額3000万ドルの資金を調達。出資者のなかには、最初のウェブ・ブラウザーであるネットスケイプの開発者で著名ベンチャー・キャピタリストのマーク・アンドリーセン氏もいる。

 スマートフォン向けOS市場では現在、グーグルのアンドロイドOSが圧倒的な占有率(85%)をにぎっている。そうしたなか、グーグルの競合他社は同市場に風穴を開けようと必死だ。

 一方、サイアノジェンは、オープン・ソース・ソフトウェアを基盤にしたシステムを売り物にする新興企業との競争に直面している。そのため、同社は、独自OS「サイアノジェンモッド(CyanogenMod)」に追加する有料サービスやアプリケーションの開発が課題となっている。

 技術大手がサイアノジェンを買収すれば、他社との大きな差別化を可能にするモバイル・プラットフォームを構築できる道を開けるかもしれない。

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