SAPが法人向けハードウェアの開発を画策か 〜 特許申請書類で明らかに

 独業務用ソフトウェア開発大手SAPは、IT専門家向け端末の開発を画策しているとみられる。同社が提出した特許申請書類によって明らかになった。

 コンピュータワールド誌によると、SAPはこれまで、携帯端末向けシステム開発大手サイベース(Sybase)を買収し、モバイル分野のソフトウェアや、モバイル機器管理システムの開発に注力してきたが、機器自体の開発については進出する気配をまったく見せてこなかった。

 しかし、SAPが7月末に提出した特許申請書類の内容によると、同社は、「折りたたみ可能の携帯機器」に関する技術で特許を申請している。同機器は、タブレットやラップトップ、携帯電話、電子書籍リーダーの機能を持つと説明されている。

 同機器はさらに、ソフトウェアの互換性についても改良され、データの同期化に必要な諸条件を最小限に抑え、それによって、利用者の負担となる認識作業を軽減するという。

 特許申請書類からうかがえるSAPの機器開発可能性は、同社のモバイル事業戦略に照らし合わせると自然のなりゆきとも言える。同社はすでに、主要ソフトウェア「ビジネス・スイート」のデータに簡単にアクセスするためのモバイル・アプリケーション「フィオリ(Fiori)」を開発しており、モバイル事業への注力をさらに強める戦略を掲げている。

 SAPはこれまで、インメモリー・データベース・プラットフォーム「ハナ(Hana)」の展開において、インテルやヒューレット・パッカード、IBMといったハードウェア・メーカーと密接な関係を保ってきたが、ハードウェアを自ら開発して販売することはなかった。

 そのため、今回の特許申請書類で示された携帯端末をSAPが開発するとなると、法人向けIT業界にとって非常に大きな動きになる可能性もある。

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