クリーン技術の企業経営は多難〜ノーベル賞で脚光浴びても
- 2014年10月17日
- 米国ビジネス
カリフォルニア大サンタバーバラ校の中村修二教授(材料物性工学)が青色発光ダイオード(LED)の実用化への貢献で2014年のノーベル物理学賞を共同受賞することが決まって以来、中村氏が共同設立したLED製造技術開発の新興企業ソラー(Soraa)が一躍注目を集めている。しかし、クリーン・エネルギー技術を開発する新興企業は同社を含めて資金繰りに苦労しているのが現状だ。
ウォールストリート・ジャーナルによると、ソラーが設立された6年前には、クリーン技術への投資が大流行した。しかしその後、ソラーと同じカリフォルニア州フレモントで太陽電池技術を開発していたソリンドラを筆頭に、クリーン技術開発で脚光を浴びた新興企業が相次いで経営破綻した。
ここ数年は、ベンチャー資金がメッセージングや写真共有アプリケーションなど諸経費が大幅に低い消費者向けソフトウェアに流れており、ソラーのジェフ・パーカー最高経営責任者(CEO)も「資金がかなり不足しただけでなく、毎月給与が出せるか心配していた時期すらあった」と認める。
それでも最近はベンチャー投資の傾向も変わり始め、太陽エネルギーや風力などの新興企業への投資が拡大している。プライスウォーターハウスクーパースによると、クリーン技術への今年上半期の投資額は、前年同期比約50%増の11億ドルに上った。
ソラーは創業以来、コスラ・ベンチャーズ(Khosla)の支援を受けており、中村氏の受賞決定で新しい顧客や出資者が見つかる可能性は高まった(パーカーCEO)。それでも事業が経済的に成功するかどうかは未知数だ。
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