スマートフォンで電力消費を把握 〜 ヴェクターフォームのモバイル・アプリ
- 2015年5月4日
- 環境ビジネス
モバイル・アプリケーションを開発するヴェクターフォーム(Vectorform)は、エネルギー効率化を目的としたモバイル・プラットフォーム「パワーレイ(Powerley)」で市場を開拓している。
同社はこれまでに、ディズニーや医療機関大手のカイザー・パーマネンテ(Kaiser Permanente)に対してアプリケーションを開発した実績がある。
今回のプラットフォームは、デトロイト地域の公益会社DTEエネルギー(DTE Energy)との提携で開発された。リリース後の9ヵ月間で5万5000回のダウンロードがあった。
グリーンテック・メディアによると、同プラットフォームは、DTEのスマート・メーターが導入されている住宅の居住者が使い、電力とガスの使用状況を見たり、カスタマイズされた省エネルギー対策の情報を受信したりすることができる。
また、毎週の課題を達成すると点数を稼げるゲーミフィケーション(問題解決や顧客忠誠心向上に向けて、ゲーム形式の仕組み技術や構造を活用すること)の要素も導入されている。点数を十分に稼ぐとアバターをもらえるが、金銭的な見返りはない。
アプリケーションを最大限に活用するには、DTEが無償提供しているゲートウェイを設置する必要がある。そのゲートウェイが、スマート・メーターから3秒ごとにデータを読み取る。ゲートウェイには1分間隔のメーター・データが13ヵ月にわたって保存され、クラウドには保存されない。
「競合他社の多くはデータが自社のものだと主張しているが、当社は異なる取り組みをしている」と、ベクターフォームのケヴィン・フォアマン製品開発責任者は話す。
これまでにパワーレイをダウンロードした利用者の半分ほどが、ゲートウェイの設置をリクエストした。
同アプリケーションでは、スマートフォンを電源コードのうえにかざすだけでワット数を測定できる。また、スマートフォンの磁気計を使ってコードの磁場を測定し、約95%の精度を期待できる。
家庭内の機器のワット数を知ることで、それがどれほどの電力を費やしているかを考えられるようになる。消費電力の大きい家電ではあまり効果がないかもしれないが、「ワットとは何かを楽しみながら理解してもらうためのものだ」とフォアマン氏は説明している。
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