シンジェンタ、野菜種子事業を売却へ

 スイスの農業バイオテク大手シンジェンタが、野菜種子事業の売却準備を進めていることが16日までに分かった。自社株買いの資金調達が目的。ロイター通信が関係筋の話として伝えた。

 シンジェンタの中核事業は農薬製造だが、同業の米モンサント(ミズーリ州)が提示した470億ドルの買収提案を拒否して以来、株主から身のある収益計画を示すよう圧力がかかっている。同社は今月、投資家の利益押し上げのため、自社株20億ドル以上を買い戻す計画を明らかにしていた。

 シンジェンタはこれまでにJPモルガンに野菜種子事業売却の手続きを進めるよう依頼したという。関係筋は、売却額が20億ドル程度になるとの見通しを示した。野菜種子事業の2014年売上高は6億6300万ドルで、総売上高の約4%を占めた。

 種子事業の主力はトマト部門。買収の参考となる各種情報は早ければ今月にも買い手候補に伝えられ、仮入札がクリスマス前に行われる可能性もあるという。

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