偽メールで1億ドル詐欺被害 〜 米企業1社、政府が公表

 連邦政府は14日、ある国内企業が2015年、販売業者を装った偽の電子メールで1億ドル近くをだまし取られたことを公表した。

 ロイター通信によると、企業名は非公表。盗まれた金のうち約2500万ドルが世界の20以上の銀行口座にあり、連邦政府が回収を求める民事訴訟をニューヨーク市のマンハッタン連邦地裁に起こした。約7400万ドルはすでに回収され、企業に戻ったという。

 外国業者と取り引きする企業を狙い、偽メールでありもしない取り引きの代金を請求する詐欺(business email compromise)の被害額としては、今回が最大とみられる。連邦捜査局(FBI)はこのほど、13年10月から16年2月にかけて世界で23億ドルが電信送金詐欺で盗まれたと発表し、国内企業に注意を促した。

 訴状によると、偽メールを使った詐欺は昨年8月から9月にかけて起きた。犯罪者はアジアに実在する業者のメール・アドレスによく似たアドレスを設定し、標的企業からの支払いの処理を専門業者に委託。実在業者を装って標的企業に代金の送金を促すメールを送り、合計9890万ドルをユーロバンク・キプロスに振り込ませたが、同行が疑わしいと判断して9月に約7400万ドルの処理を停止した。

 残りの2500万ドルはキプロス、ラトビア、ハンガリー、エストニア、リトアニア、スロバキア、香港の銀行口座を通じて洗浄されたとみられる。米当局が各国政府に協力を求め、20口座を差し押さえた。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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