羊の表情から痛みを検知〜ケンブリッジ大のAI研究

 英ケンブリッジ大学の研究チームは、羊が見せる5つの表情から羊が痛みを感じているかやその度合いを推定できる人工知能(AI)システムを開発した。
 
 CNNによると、ワシントンDCで6月初めに行われた学会で発表されたこの新しい医療用AIは、羊の健康状況を改善し、馬やネズミのような他の動物の痛みを伴う症状の早期診断や治療にも役立つ可能性がある。
 
 新システムは、機械学習を使って羊の顔の異なる部分を検出し、獣医が痛みを診断するために開発した標準的測定ツールと比較する仕組み。研究チームは約500枚の羊の写真を使ってモデルを訓練し、早期の実験では約80%の精度で痛みの度合いを推定できた。標準的測定ツールによると、痛みを感じている羊の顔には▽目が細くなる▽頬がこわばる▽耳が前に折れる▽唇が下がる▽鼻腔がV字型になる…など、 大まかに5つの兆候が現れる。
 
 論文を共同で作成したマーワ・マームード氏は「似たような人間の顔の動きと比べることで、羊が痛みを感じている時を明確に類推できる。羊の顔と人間の顔は筋肉の動きが似ている」と話した。
 
 チームの研究は、コンピュータに人間の感情や表情を認識するよう学習させる過去の研究を下地にしており、次は静止画像でなく動画から、動物がカメラを直接見ていない時でも表情を検出するよう学習させることを目指す。将来的には、羊が日中集まる場所にカメラを設置し、痛みを感じている羊がいれば農家に知らせてすぐに適切な治療を受けさせられるようにしたいと考えている。
 
 ケンブリッジ大学の広報担当者は「腐蹄症(ふていしょう)などにかかった羊は体重が増えない。病気の羊を適切に治療することは、農家にとって経済的かつ道徳的な利点がある」という。腐蹄症はひづめが炎症を起こして軟化する病気で、羊によく見られる。感染率が高く、早期発見で群れ全体への感染拡大を予防できる。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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