スイスの金融大手UBSのアクセル・ウェーバー会長は、仮想通貨のビットコインが通貨のもっとも重要な機能の一部を果たさないと指摘した。
仮想通貨についてはこれまでにも複数の銀行幹部が否定的な考えを表明している。
ロイター通信によると、ウェーバー氏は、スイス金融研究所が主催する会議において、「ビットコインになぜ懐疑的なのかよく聞かれる」「理由はおそらく、ドイツ連邦銀行(中央銀行)の前総裁という私の経歴に由来するだろう」と話した。
「通貨の重要な機能は決済手段であり、したがって一般に受け入れられなければならず、また、価値の蓄えでなければならず、さらに取ろ引き通貨でなければならない。」「ビットコインは取り引き通貨でしかない」と同氏は指摘した。
ビットコインは、個人間で価値をやりとりでき、銀行や主流の金融システムを迂回して商品やサービスへの支払いを可能にするデジタル通貨として一部で流通している。
しかし、米銀行大手JPモルガン・チェイスのジェイミー・ダイモンCEOは、「ビットコインは詐欺」と9月に批判し、取り引きした従業員を解雇すると言明している。金融危機後に台頭した仮想通貨は、技術信奉者や政府の金融政策に懐疑的なリバタリアン(自由至上主義者)をはじめ、投機性に引かれる人々から支持されている。
ウェーバー氏はその一方で、ビットコインの土台となっているブロックチェーン(分散型台帳)技術については肯定的な考えを示し、やがてはデジタル台帳の考え方が広く受け入れられるだろうという見方を示した。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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