STマイクロとエリクソン、合弁事業を解消

 半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(STMicroelectronics、以下STマイクロ)と通信機器メーカーのエリクソン(Ericsson)は、モバイル端末向け半導体製造合弁会社のSTエリクソン(ST-Ericssson)を解散する。

 インベスターズ・ビジネス・デイリーによると、両社は合弁会社の一部をそれぞれ引き取るほか、一部については完全に閉鎖し、それにともない約1600人が失職する。

 STエリクソンは、アップル(Apple)やサムスン(Samsung)といったスマートフォン・メーカーを相手に苦戦する携帯電話機大手ノキア(Nokia)からの受注が激減したため、ここ数ヵ月、廃業の憶測が流れていた。

 競合するアジア半導体メーカーが市場変化に迅速に対応するため生産を外注する傾向にあるのに対しても、STエリクソンは出遅れ感を否めなかった。

 また、サムソンのように、一部の電話機メーカーが半導体を内製していることも、STエリクソンの業績不振に影響した。

 エリクソンとSTマイクロはSTエリクソンの売却先を探していたが、それがかなわず合弁事業解消となった。STエリクソンは、2008年の設立以来、赤字経営が続いていた。

 STマイクロは、STエリクソンの顧客向けに需要があれば製品を今後も製造する。

 合意に基づき、STエリクソンの社員と請負業者約1800人がエリクソンに、約950人がSTマイクロに転籍する。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る