ソフトレイヤーの買収協議が進行

 クラウド・サービス世界最大手のソフトレイヤー・テクノロジーズ(SoftLayer Technologies)をめぐる買収協議が進行中だ。

 データ・センター・ノーレッジ誌によると、ソフトレイヤーを買収するという話はAT&Tが最初に打診したことで始まったが、その後、IBMとEMCも名乗りを上げて、買収合戦に発展する可能性も強まっている。

 ソフトレイヤー側では、同協議に対応するためにモルガン・スタンリーとクレディ・スイスを雇っている。

 ロイター通信では、匿名情報源の話として、買収額は「20億ドル以上」になる可能性があると報じた。

 IT大手がソフトレイヤーを買収標的として狙っている可能性は、クラウド業界の私企業大手が買収標的にされる筋書きとして少し前から浮上していた。

 ソフトレイヤーは、私企業投資会社のGIパートナーズ(GI Partners)が所有する非上場企業。2010年にプラネット(The Planet)社と合併したことで、ホスティング業界の世界的大手に躍進。現在、2万5000社以上の顧客企業に専用サーバーやクラウド・ホスティング・サービスを提供している。

 クラウド事業を拡充したいIT大手にとって、ソフトレイヤーの顧客基盤は買収対象として非常に魅力的要素となっている。ソフトレイヤーを取得すれば、ホスティング・サービスの小売事業を一気に拡大でき、クラウド・サービス市場での存在感も一気に強化できる。

 ソフトレイヤーは、ダラスやヒューストン、サンノゼ、シアトル、バージニア州北部、シンガポール、アムステルダムを含む13ヵ所のデータ・センターで10万台以上のサーバーを運用している。

 ソフトレイヤーの強みは、フレックス・イメージズ(Flex Images)というサービスを活用したハイブリッド・クラウド・サービスにある。同サービスでは、既存のクラウド・サービスで提供される画像データを自動的に複製保存し、別環境への転用を簡単に可能にする。

 ソフトレイヤー買収が成立するかどうかは、今のところ予想困難だが、仮に成立すると、ほかの業界大手に圧力がかかることは間違いない。

 2011年に、ベライゾンがテレマーク(Terremark)を14億ドルで、タイム・ワーナー・ケーブルがナヴィサイト(NaviSite)を2億3000万ドルで、そしてセンチュリーリンク(CenturyLink)がサヴィス(Savvis)を25億ドルで買収した際にも、ほかの大手が圧力を感じて買収に動いた例がある。

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