民主党勝利で米国の技術政策はどう変わるのか 〜 連邦では人工知能規制、州単位ではデータ・センター建設制限に拍車の可能性

米国の中間選挙(11月3日)の結果を受けて、技術関連政策に変化が起きるという見方が浮上している。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、技術関連分野で有権者らの懸念が集まっているのは、データ・センターの建設と人工知能の安全性という2点だ。選挙前は、それらに関する法律が連邦議会によって制定されることはないというのが大方の一致した見方だった。しかし、民主党が上下両院で多数党になった今回の結果を受けて、その前提が以前ほど確かではなくなった可能性がある。

とはいえ、向こう2年間は、民主党主導の可決法案に対しドナルド・トランプ大統領(共和党)が拒否権を発動できることから、それほど大きな動きはないだろう。むしろ、州政府や地方自治体において、民主党議員らが何らかの技術規制法案を可決する可能性が高い。

新興金融サービス会社ヨークヴィル・アイヴス(Yorkville Ives、ニューヨーク市拠点)の技術分析家ダン・アイヴス氏は、投票日から一夜明けた4日朝、「向こう2〜3年間の米国における人工知能革命の展開速度にネガティブな影響をあたえるだろう」と投資家向け報告書とエックスへの投稿で書いた。米国内で計画中の800~1000ヵ所のデータ・センター開発が減速し、特にテキサス州に大きな影響がおよぶと同氏は予想する。

人工知能基幹設備の拡張が減速すれば、法人または個人を問わず、利用者らがより長期にわたって各種の人工知能サービスおよび機能に比較的高額を払うことになる可能性がある。結果として、中国をはじめとする他国に価格競争力という有利性をもたらすことにつながる。

連邦議会で民主党が試みる優先法案候補として、人工知能モデルの暴走による不正アクセスを防止する人工知能技術規制案が考えられる。

かたや州単位では、人工知能よりデータ・センター建設計画のほうが議論の的になるとみられる。テキサス州の州知事選では、現職のグレッグ・アボット知事(共和党)が、データ・センター新設計画の即時一時停止を公約したジーナ・ヒノホサ氏(民主党)に敗れるという波乱があった。

オハイオ州知事選で勝利した民主党のエイミー・アクトン氏や、ジョージア州知事選で勝利した民主党のキーシャ・ランス・ボトムズ氏も、データ・センター建設計画の一時停止を公約していた。

テキサスやオハイオを含むいくつかの州で共和党候補者の選挙運動を支援するために4億ドル以上を費やしたイーロン・マスク氏は4日朝に、「宇宙データ・センターがいまや非常に魅力的に見える」とエックスに投稿し、民主党知事らの誕生によって地上でのデータ・センター建設への逆風が強まることを皮肉った。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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