自動走行車の実現は近い〜業界幹部、技術に自信

 ワシントンDCで10日、情報技術(IT)企業と自動車メーカーの幹部による公開討論会が開かれ、自動走行車の商用化はそう遠くないとの見通しが示された。

 USAトゥデイによると、グーグル自動走行車計画のエンジニア、クリス・アームソン氏は、「自動走行車の実現には20年かかると言われてきたが、一連の走行試験を経た現在では、完全な自動走行車の実現は5年先だ」と語った。

 討論会にはほかに、トヨタ自動車やテキサス・インスツルメンツ(TX)の幹部も参加した。後援団体の情報技術&イノベーション財団によると、自動走行車など「知的交通システム」を開発する利点としては、燃料消費量の削減や安全性向上などが挙げられる。

 グーグルが開発した自動走行車は、歩行車や信号の存在を検知できるだけでなく、「人間と違って360度目視できる」(アームソン氏)という。

 一方で、自動走行車が合法化されているのはネバダとフロリダ、カリフォルニアに限られ、技術の進化に各州の法整備が追い付いていない現状も指摘された。トヨタ自動車販売のジェイソン・シュルツ氏は、「自動走行車が赤信号を無視したら誰の責任か? 問題は誰をドライバーとみなすかだが、われわれが前進するにはこうした問題を明快にする必要がある」と述べた。

 ただ、法的な壁が克服されたとしても、自動走行車が公道にあふれるまでには時間がかかりそうだ。また、グーグルの最新版の自動走行車は、本体だけで少なくとも15万ドルかかる。

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