子宮移植のサル出産 慶応大など、霊長類で初 人に応用では倫理課題も
- 2013年5月9日
- 日本発ニュース
【共同】慶応大や東京大などの研究チームは、雌のカニクイザルから子宮を摘出して再び移植し、妊娠と出産に成功した。札幌市で開かれる日本産科婦人科学会学術講演会で10日発表する。子宮移植後の出産は霊長類では世界初という。
人間では海外で妊娠までの報告がある。今回は自らの子宮を使う自家移植だが、チームは別のサルからの移植実験も進めている。病気などで子宮を失った女性が子どもを持てる医療の開発につながる一方、心臓や肝臓のように生命維持に必須の臓器ではないため、どこまで移植が許されるかなど倫理面の問題も指摘されている。
チームは6歳のカニクイザルから子宮を摘出し、同じサルに戻す移植手術を実施。微小な血管4本を顕微鏡で見ながらつないだ。手術から35日目に月経が再開し、116日目に自然妊娠を確認。交配から143日目に帝王切開で出産した。妊娠中、胎児の発育に問題はなかったという。
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