太陽光発電インバーター、競争激化で価格急落へ

 太陽光発電用(PV)インバーター(逆変換装置)の価格が、世界的な競争激化を背景に急落する見通しとなっている。

 リニューアブル・エナジー・ワールドによると、市場調査のIMSリサーチは最新の年次報告書で、2013年のPVインバーター世界売上高を前年比5%減の67億ドルと予測した。出荷量は出力換算で34.2ギガワット(GW)に増加する一方、平均価格は11%低下する見通しだ。サプライヤー(部品業者)は競争の激化に加え、値下がりで利ざやの縮小に直面することになる。

 世界のPV市場は、10大サプライヤーの占有率(シェア)が10年の66%から12年は57%に低下している。4月にはスイスのABBがパワーワン(Power-One、カリフォルニア州)を、アドバンスト・エナジー(Advanced Energy、コロラド州)が独レフソル(Refusol)を買収したほか、12年12月には独SMAが中国ジーバーソーラー(Zeversolar)の過半数株式を取得したが、シェアへの影響はほとんどないという。

 IMSのアナリスト、コーマック・ギリガン氏は、「3件の大規模な買収があったことでインバータ市場は統合が進んでいるように見えるが、そうではなく市場はますます国際化している」と語った。

 値下げ圧力が高まる中で、多くのサプライヤーは最新機能や設計を採用したインバーターを開発し、コストの節約や値ごろ感の押し上げを図っている。

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