NY市監査役、日産製タクシーに反対〜車いす未対応を問題視

 ニューヨーク市のジョン・ルー監査役は6日までに、市が次世代イエロー・キャブ「Taxi of Tomorrow」として10月からの採用を決めている日産自動車製タクシー「NV200」の購入契約を認めない意向を表明した。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、ルー監査役は3日、マイケル・ブルームバーグ市長にあてた書簡の中で、北米日産が製造するNV200が車いす仕様でない点を問題視。「車いすに対応していない『あしたのタクシー』を義務付けることで、市は障害者の市民権を軽視することになる」と主張した。

 市の広報官によると、契約が否認されても10月28日に始まる日産製タクシーの導入計画に影響はない。ルー氏は昨年12月にも契約締結に反対を表明したが、市は同月中に日産と契約を交わした。ルー氏は11月の市長選の民主党候補に名乗りを上げている。

 日産はこのほど、新型タクシーの生産をメキシコ工場で開始すると発表したばかり。NV200は市のイエロー・キャブ1万3000台以上で採用される。

 ブルームバーグ政権は、監査役に契約を取り消す権限はないとの立場を取っている。しかし、新型タクシーに車いすへの対応を義務付けるよう障害者擁護団体から連邦裁に請求を申し立てられるなど、法的には今後も障害に直面する見通しだ。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る