恋人や家族の通信を傍受 NSA、職権乱用十数件

 【共同】米国家安全保障局(NSA)の職員が、家族や恋人の通信を傍受するなど職権を乱用した情報収集活動を行っていた例が少なくとも十数件あったことが、29日までに分かった。チャック・グラスリー上院議員の照会に対し、NSAの監査部門が文書で回答した。

 文書によると、2003年1月以降、職権乱用に当たると判断されたのは12件あり、さらに3件を捜査中。NSAのシステムが不適切な操作を検出して発覚した例が多いが、職員の自白や、うそ発見器にかけた結果分かったこともあった。

 夫の浮気をうたぐった女性が夫の携帯電話を盗聴していたケースや、通信傍受の権限を得た初日に元恋人のメールを盗み見ようとした男性軍人もいた。この軍人は「システムに習熟するためにやった」と弁解したが、降格や減給処分を受けた。

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