武田、リスクの警告怠る〜アクトス訴訟で2度目の評決
- 2013年9月30日
- 米国ビジネス
武田薬品工業が糖尿病治療薬「アクトス」にがんを引き起こす可能性があることを消費者に知らせなかったとして膀胱(ぼうこう)がんで死亡した男性の遺族から訴えられていた訴訟で、メリーランド州ボルティモアの州裁判所陪審は26日、訴えを認め、武田に170万ドルを超える損害賠償の支払いを命じる評決を下した。ただし、判事はメリーランド州法に従い、評決を即座に無効とした。
ブルームバーグ・ニュースによると、陪審は25、26日に計6時間以上の協議を行い、ベトナム系移民で元米陸軍通訳のディプ・アンさんががんで死亡した責任は武田にあると判断した。しかし同時に、死因には男性が30年にわたって喫煙したことも含まれるという見方を示したため、判事は州法に基づいて評決を無効とした。
国内の陪審がアクトスと膀胱がんの関連性を認めたのは、今回で2度目。カリフォルニア州では4月、陪審が武田に650万ドルの損害賠償支払いを命じたが、判事がこれを無効としたため、原告の遺族が控訴している。
アクトスをめぐっては、武田薬品工業が糖尿病治療薬「アクトス」にがんを引き起こす可能性があることを消費者に知らせなかったとしてに3000件を超える訴訟が起こされており、今後4カ月の間にラスベガスとシカゴ両市の州裁判所や、ルイジアナ州の連邦裁判所で審理が予定されている。
武田の米子会社のケン・グライスマン広報は、「当社は責任を持って行動したと確信しており、武田を支持した判事の判決に満足している」と語った。
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