VW米事業は「壊滅状態」〜独労働代表が厳しく批判

 独フォルクスワーゲン(VW)の労使協議会委員長を務めるベルント・オステルロー氏は22日、記者団にVWの米国事業が「壊滅状態(disaster)」にあると語り、世界第2の市場における同社のポジションを改善するにはラインの拡大と素早い決断が必要との見解を示した。

 ロイター通信によると、オステルロー氏は「VWは中国と欧州では業界最大手になっているが、米国市場に関してはまだ適切な成功戦略を見出せていない」と述べた。同社は2011年に米国で中型セダン「パサート」を発売し、11〜12年には同モデルの販売が増加したが13年は6.3%落ち込み、市場戦略を統括したジョナサン・ブラウニング米国部門責任者は13年12月に退陣している。

 後任のマイケル・ホーン氏は今月「本社は米市場の勢力図に十分な注意を払っていない」と発言した。オステルロー氏も同じ意見で、記者団に「長年赤字を出してきた米事業は16年まで改善せず、ピックアップ・トラックなどのモデルを増やす必要がある」と話した。

 VWは、北米に70億ドルを投資する計画の一部として、北米向けに新しいスポーツ多目的車(SUV)を生産する計画をデトロイト自動車ショーで発表したばかりだが、オステルロー氏によると1年前に発表された「クロスブルー」SUVは生産地もまだ明らかにされていない。

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