デルファイ元社員が不法死亡訴訟〜GMのイグニッション欠陥問題で

 ゼネラル・モーターズ(GM)の旧部品子会社デルファイ・オートモーティブの元従業員が24日、GMとデルファイがイグニッション(エンジン始動)スイッチの欠陥を隠していたとして、両社を相手に不法死亡訴訟(不注意や過失などが原因で他人を死なせた事故の責任を求める訴訟)を起こした。デルファイはGMにエンジン始動スイッチを供給していた。

 ロイター通信によると、訴えたのはデルファイを約3年前に退職したスティーブ・スミスさん。アラバマ州裁判所に提出された訴状によると、娘のオーブリー・ウォレス・ウィリアムズさんが州内で06年型シボレー・コバルトを運転していたところエンジン始動スイッチが故障し、エンジンと電気系統が停止した。車は操作不能になり、別の車線にはみ出して大型トラックと衝突。ウィリアムズさんは即死した。

 スミスさんは訴状で、GMとデルファイはスイッチの問題を知りながら対処せず、それが死亡事故につながったと主張しているが、賠償額を明確にしていない。GM、デルファイともこの訴訟に関して論評していない。

 GMは2001年からエンジン始動スイッチの問題を把握し、ディーラーらに整備上の通知(サービスブレティン)を出していたにもかかわらず、今年2月になって約160万台のリコール(回収・無償修理)を発表した。GMはエンジン始動スイッチの問題でこれまで12人が死亡したと発表し、リコールの取り扱いについて謝罪している。

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