「残業代ゼロ」の導入検討  高収入、専門職に限定

 【共同】厚生労働省が、働く時間を自由に選べる代わりに、残業代支払いなどの労働時間規制が適用されない「ホワイトカラー・エグゼンプション」を、高収入で専門性が高い職種に限って導入する方向で検討していることが23日、分かった。6月に政府がまとめる新たな成長戦略の焦点になっており、28日の政府の産業競争力会議で考え方を示す。

 ただ、対象者などをめぐって厚労省と競争力会議の調整は難航しており、成長戦略に盛り込む中身の決定は6月にずれ込みそうだ。

 ホワイトカラー・エグゼンプションは、労働者にとって「残業代ゼロ」で、長時間労働や過労死を招きかねないとの批判が労組から出ている。競争力会議の民間議員は、幅広い層を対象とする制度の導入を求めているが、一般社員は働き方の自由度が乏しく、労働環境の悪化を招きかねないと厚労省は懸念。金融機関のディーラーなど高度な専門職で、会社側との労働条件の交渉力が強い人に限るべきだと判断した。

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