アルコア、英航空エンジン部品メーカー買収へ
- 2014年6月27日
- 米国ビジネス
アルミ大手のアルコアは26日、航空機用エンジン部品を製造する英ファース・リクソンを28億5000万ドルで買収すると発表した。
AP通信によると、本業の鉱業・アルミ精錬事業への依存度を減らしているアルコアは、買収によって航空宇宙事業の年間売上高を20%増の約48億ドルに押し上げる見込み。
投資ファンドのオークヒル・キャピタルが保有するファース・リクソンは、タービンや圧縮器ケースなどの航空エンジン部品を製造する。2013年売上高は10億ドルで、大半を航空宇宙事業が占めた。アルコアは、同社売上高が19年まで年率12%で成長するとの予想を発表した。
アルコアは近年、アルミ製品のコスト高と価格低下で利益を減らしており、航空機や自動車などに使われる最終加工品に製造の重点を移している。の14年1〜3月期決算は1億7800万ドルの赤字だった。アルミ価格は景気後退(リセッション)を脱した後も回復の兆しが見られず、アルコアは複数の精錬所の操業を停止してコスト削減に努めている。
アルコアは5月、民間航空機向けにニッケル素材のエンジン部品を製造するため、総工費1億ドルでインディアナ州に工場を建設すると発表した。
証券会社スターン・アギーのアナリスト、ジョシュ・サリバン氏は、「航空宇宙分野におけるアルコアの力強いポジショニングが過小評価されているという見方を継続する」と述べ、今回の買収がアルコアの航空宇宙分野の存在感を強めると予想した。
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