カーギル、牛肉加工施設を閉鎖〜ウィスコンシン、肉牛の供給ひっ迫で

 穀物メジャーのカーギルは30日、ウィスコンシン州の牛肉処理工場を閉鎖すると発表した。数年来続く肉牛の供給量低下のあおりを受けた格好。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、牛肉加工大手でもあるカーギルは8月1日、2001年に獲得し、1日1300〜1400頭の処理能力を持つ同州ミルウォーキーの工場を閉鎖する。同じ敷地のひき肉工場(従業員約200人)は操業を続けるという。

 国内の主要な畜産地域では現在、肉牛頭数が過去60年以上で最低の水準まで落ち込んでいる。カーギルは過去18カ月にわたって各地域の供給量を分析した結果、工場の閉鎖を決定した。同社牛肉部門のジョン・キーティング社長は、肉牛の数が1951年以降最低の状況にあると指摘しながら「大幅な回復は何年も先になる」と説明した。

 カーギルは13年にもテキサス州プレインビュー工場を閉鎖しており、国内に残る工場はこれで6カ所となった。

 カリフォルニア州の同業ナショナル・ビーフ・パッキングも1月、州内の処理工場(従業員1300人)の閉鎖を発表した。

 肉牛の減少は牛肉価格の急騰を招き、レストランやスーパーではステーキ肉のサイズ縮小や鳥肉の代用といった対応を余儀なくされている。こうした状況を背景に、見た目が悪いため「ピンクスライム」(ピンクのドロドロ)と呼ばれることもある副産物のくず肉が、安さを理由に市場で復権している。

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