ウォルグリーン、本社移転は見合わせ

 ドラッグストア大手ウォルグリーン(イリノイ州)は6日までに、節税のために本社を海外に移すコーポレート・インバージョン(外国親会社の設立)を実施しないことに決めた。ウォールストリート・ジャーナルが関係者の話として伝えた。

 同社は2012年、国際的な知名度拡大やサプライヤーとの交渉力強化を図って、スイスの業界大手アライアンス・ブーツ(Alliance Boots)の株式の45%を約67億ドルで買収した。残りの55%もオプションを行使して15年に買収する予定だという。

 これに伴い、投資家からはインバージョンを検討すべきという意見が高まっていたが、租税回避行為に対する連邦政府からの政治的圧力が強まる中、より複雑な取引となるインバージョンは行わないという判断を下した。

 ウォルグリーンは国内に8200店のドラッグストアを所有しており、ほぼ全ての利益は米国で計上している。今回の決断で、インバージョンに抗議する消費者の不買運動が広がる懸念は弱まるが、税率の低いスイスに本社を移すのではないかと見込んでいた一部の株主を落胆させる可能性はある。

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