GM、グーグル・グラスを試用〜自動車工場への応用探る

 ゼネラル・モーターズ(GM)は、装着型情報技術(ウェアラブルIT)の自動車製造分野での可能性を探るため、グーグルの眼鏡型情報端末「グーグル・グラス」をミシガン州の3つの現場で試験導入している。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、GMは昨年後半から、レイク・オライオンの組立工場、ウォーレンの技術センター、デトロイト地区のIT研究施設でそれぞれ1個ずつのグーグル・グラスを使っている。同社北米製造部門のキャシー・クレッグ社長は今月5日、同州トラバースシティで開かれた業界会合で、「単なる実験に過ぎず、グーグル・グラスの違った使い道を探している」と語った。

 グーグル・グラスは、装着者の右目上方に小型スクリーンがあり、情報が映し出される。音声操作でインターネットへの接続やEメールの閲読、写真やビデオの撮影なども可能で、ほとんど手を使う必要がない。1個の値段は1500ドル。

 GMの北米事業開発責任者のトニー・ハウエル氏は、「見た瞬間、これは訓練に使えると思いました。作業員を会議室に座らせて工程を説明するのではなく、製造ラインに立たせた状態で説明できます」と話した。

 GMはすでに写真とビデオ撮影機能をさまざまな用途で活用しており、組立作業員が部品や現場で出くわした問題などの画像、映像を技術者のパソコンに送信して素早い対応に生かしている。組立工場では10人以上がグーグル・グラスを使ったことがあるという。

 ハウエル氏によると、グーグル・グラスで組立時間の短縮化が予想されるが、現場の作業員はほとんどが大型の防護眼鏡をかけているため、グーグル製品のすっきりした作りが現場に合うかどうかという問題も考えられる。

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