iPSから心臓組織シート 世界初、血管細胞含め作製

 【共同】人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、心筋や血管など数種類の細胞でできた複雑な心臓組織シートを作ることに京都大の山下潤教授(幹細胞生物学)のチームが成功し、22日付の英科学誌電子版に発表した。

 チームによると、iPS細胞を、血管の細胞を含む実物に近い構造の心臓組織に一体的に変化させ、シートにしたのは世界初。心臓病患者に移植する再生医療につなげたいとしており、心筋梗塞のラットで機能の回復を確認した。

 チームは、血管の成長に関わるタンパク質「VEGF」に着目。これまでiPS細胞を心筋シートに変化させる時に使っていた「Dkk1」というタンパク質の代わりに、今回はVEGFなどを段階的に投与した。するとiPS細胞が心筋細胞のほか、血管を形作る血管内皮と血管壁の細胞に同時に変化した。この細胞の塊を培養皿で直径約1センチのシート状にした。

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