紙のクーポン、今も大活躍〜小売業界、電子クーポンは1%未満

 レストランや小売り業界は近年、デジタル・マーケティングやスマートフォン・アプリケーションを使った販売促進を強化している。しかし、倹約志向の強い消費者は今も昔ながらの紙に印刷されたクーポンを多用していることが、小売り市場調査リテイル・フィードバック・グループ(RFG、ニューヨーク州)の最新調査で分かった。

 ビジネス・ウィークによると、RFGは理由の1つとして、紙クーポンがまだ量では圧倒的に多いことを挙げている。2014年上半期、国内で1710億枚のクーポンが配布されたが、この92.5%が食品や家庭用品など消費者向け商品に挿入された折り込み印刷クーポンだった。

 これに対し、デジタル・クーポンは急成長してはいるものの、NCHマーケティング・サービシズ(イリノイ州)によると全体の構成比は1%以下にとどまっている。RFG幹部のブライアン・ヌメインビル氏は「スーパーマーケット利用者の大部分には、まだ紙クーポンや広告の方が人気が高い。以前からやっている方法だからというのが最大の理由で、デジタル・マーケティングがこれにとって代わるまでには時間がかかる」と話した。

 マーケティング・サービス企業バラシス(Valassis、ミシガン州)の調査によると、若いミレニアル世代(Y世代)でも印刷クーポンの方が好まれているという。ヌメインビル氏は「人口構成が変化し、新しいデジタル・マーケティング技術を導入するスーパーマーケットが増加するのに伴い、少しずつデジタルへの移行が進行していく」と見ている。

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