貨物船の解体件数が激増〜コモディティ輸送の需要低下で

 中国などの主要輸入国で鉄鉱石や石炭などのコモディティ需要が下がった影響で、それらを運んでいた貨物船が解体処理される例が激増している。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、需要低下でコモディティ価格が大幅に下落し、輸送能力がだぶついているのが理由。ケープサイズと呼ばれる世界最大の乾貨物ばら積み貨物船の多くが東南アジアなどのスクラップヤードに送られている。こうした船の1日の用船(チャーター)料金は、2014年12月半ば以降約5000ドルで推移しており、7500〜2万ドルという採算水準を大きく下回っているため、赤字運航するよりスクラップにする選択が下されている。

 クラークソン・リサーチ・サービシズの最新週報によると、今年に入って約460万トン分のケープサイズ船がスクラップとして売られ、前年同期比では368%も増加。すでに14年通年の420万トンを上回っている。

 中国は今月、15年の経済成長率は昨年の7.4%から7%に減速するとの見通しを発表。これを受け、乾貨物を運ぶ外航不定期船の運賃を示すバルチック海運指数(BDI)は過去30年間で最低に落ち込んでいる。ブローカーによると、これまでケープサイズ船の用船はしばらく待たなければならなかったが、今は常に余っている状況で、今年に入って8社以上の乾貨物輸送会社が会社更生手続きの適用を申請しており、年末までにその数は倍増する可能性があるという。

 資金に余裕のある船主はアジアの港でケープ船を休ませており、シンガポールのブローカーは「いかりを下ろし、エンジンを切って、船員を半分以下に減らし、運航を休止している船が8隻以上ある。こんな状況は09年の世界経済危機以来だ」と話す。

 クラークソンによると、今年の船舶全体のスクラップ件数は37%増加している。多くはインド大陸で行われ、バングラデシュのスクラップ量は前年比で85%増、パキスタンは19%増、インドは7%増。しかしロンドンのブローカーは「今年だけで1000隻以上の新しいばら積み船が引き渡される予定なので、スクラップ数が2倍、3倍になっても焼け石に水」と話している。

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