米軍、使い捨てドローン開発〜上空から大量散布で情報収集

 米海軍研究試験所(NRL)は、手のひらに乗るほど小さな使い捨てのドローンを開発している。

 クリスチャン・サイエンス・モニターによると、このドローンは、地中で長い幼虫期を過ごし、生殖活動のため大群で地上に現れた後短期間で死ぬ昆虫のセミから着想を得たといい、Close-in Covert Autonomous Disposable Aircraft(使い捨て近接自律群飛行体)の正式名称は頭文字を取ってセミを意味する「CICADA(シケイダ)」と呼ばれる。

 敵がすべてを回収できないほど大量に飛ばす使い方を想定しており、デザインは単純でわずか10個ほどの部品しか使われていない。モーターもなく、飛行機またはより大きなドローンなどを使って上空から散布し、特定の標的に向けて滑空させる。自力飛行はできないが、エンジンや推進装置がない分極めて静かで、高い精度で標的に落とせるといい、3年前の実験では高度5万7600フィートから散布して標的の周囲15フィート以内に着地した。

 構造が簡単なため生産コストも安く、試作品は1個1000ドルだったがNRLの技術者は最終的に250ドルまで減らせると見ている。実験では気温、気圧、湿度といった気象データを送信するためのセンサーが搭載されたが、目標は、敵の潜水艦の位置特定や会話の盗聴といった軍事的な機能を果たすことだ。ビデオカメラについては、撮影データを遠隔回収すると情報量があまりに大量になるため今のところ搭載されていない。

 機体は小さいがかなり頑丈で、木立の間でも飛べるほか、アスファルトの滑走路や砂利の中に落ちても、砂が隙間に入っても問題なく、唯一壊れたのは砂漠の低木にぶつかった時だったという。

 実際の作戦に投入されるまでは、気象学者が竜巻を予想するためのデータ収集などに使われる可能性がある。

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