ATMでカード情報を不正入手〜被害が過去20年で最多に

 米国内のATM(自動現金預払機)でデビット・カードを使用中にひそかに情報を盗まれる被害が、過去20年以上で最多水準になっている。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、2015年1〜4月9日に発生した銀行内ATMでのカード情報盗難は前年同期に比べて174%増加、ショッピング・センター、コンビニ、レストランなどにあるCD(現金自動支払機)など銀行以外の機械では317%も増加した。

 データをまとめた信用格付け・解析会社FICOは、合計で国内デビット・カードの65%以上を発行する金融機関向けに提供しているカード・モニタリング・サービスを通してこうした犯罪被害を追跡している。

 犯行の多くは、カードの磁気テープから情報を抜き取れる装置をATMに設置する「スキミング」と呼ばれる手口で、カード保持者が暗証番号を入力するところを小型カメラで盗撮する場合もある。犯人は入手した情報を基にデビット・カードを偽造し、ATMでの現金引き出しや店舗/オンラインでの物品購入に使う。

 銀行は、偽造を難しくするためにコンピュータ・チップを組み込んだ新種のカード発行を急いでいるが、ほとんどのATMはまだ新しい技術に対応しておらず、JPモルガン・チェイスとバンク・オブ・アメリカが最近、高性能ATMの設置を始めたばかり。

 現在は不正取引による損失のほとんどをカード発行会社が負担しているが、15年10月以降は、新しいカードが使える機械を導入しなかった場合、商店も責任を負担しなければならなくなる。

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