IT社員を顧客に派遣して事業案を発掘 〜 ボストン・サイエンティフィック

 ITサービスを法人向けに提供するボストン・サイエンティフィック(Boston Scientific)は、IT社員を病院や医療機関に積極的に訪問させる方針を正式な成長戦略として打ち出した。

 その背景には、医療機関向けITが自社のサービスを向上させ、顧客忠誠心を強め、技術系社員の技能と知識を拡充するのに適しているという同社の判断がある。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、IT企業各社のCIO(最高情報責任者)らは通常、顧客企業に電話をかけて需要を探るが、ボストン・サイエンティフィックは、IT社員らが顧客の現場を訪問することで、新たなITサービス事業案の発掘を強化することで成長中だ。

 同社のリッチ・アデュチCIOによると、技術者たちが医療機関を訪問することで、医療機器類やITシステムがどのように使われ、あるいはどのように使われていないかを自身の目で確認できる結果、新たな機能や分析、そのほかのITサービスの商品開発案が刺激される。実際に、それによって開発されたITサービス商品がすでにいくつか現場で採用されているという。

 さらに、顧客の現場に出向くことで、たとえば身体装着型端末といった新興技術を実験できる機会も得られる、と同氏は指摘する。

 「会議室でパワーポイントを使って議論しても現場での有効性や実用性を判断することは難しい」「そのため、現場に行って、実際にどのように運用されているのかを自分で確認することは非常に重要だ」。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る