規制よりITコストが心配〜金融業界、最大懸念は経済動向

 金融サービス業界にとって、IT基盤設備のコスト高騰が規制やサイバー攻撃よりも大きな懸念となっていることが、国際リスク管理会社ウィリス(本社ロンドン)の調査で分かった。

 ロイター通信によると、ウィリスが世界の銀行、保険会社、再保険会社、資産運用会社、ヘッジファンド、金融テクノロジー会社150社の上席幹部を対象に調査したところ、最大の懸念は量的緩和の影響といったマクロ経済、第2位がIT関連のコストだった。

 ウィリスの金融部門責任者メアリー・オコナー氏は「新しいテクノロジーを使う新参企業が増えており、銀行はそれに対応しなければならないことを知っている」と説明する。銀行や保険業界は従来から新しいテクノロジーへの対応が遅いと指摘されており、市場の新参者からシェアを奪われる恐れがある。

 3番目に大きな懸念は規制で、規制強化が、業界からの撤退やより規制の緩い別の業界への移動を促進させている。規制の緩い業界には、金融テクノロジー業界や金融市場の規制が全く適用されない携帯電話サービス業界が考えられる。

 4番目の懸念は、テクノロジーの普及で生まれたサイバー犯罪などの新しいリスクだった。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る