ポネモン研究所(Ponemon Institute)は6日、企業のサイバー犯罪被害による損害規模が上昇している実情をまとめた調査結果を公表した。
マニュファクチャリング・ビジネス・テクノロジー誌が報じた同研究所の調べによると、大企業が被害にあった何件ものサイバー攻撃によって、米国の大企業1社あたりの被害規模は、1年前の1270万ドルから19%増の1540万ドルに増えている。
同研究所によると、中企業を含めた米企業のサイバー犯罪被害額は190万〜6500万ドルと非常に大きな開きがあり、その平均は、1年前の150万ドルから22%増の190万ドルに拡大した。
世界的にみると、年間換算されたサイバー犯罪被害額は1年前から1.9%増えて770万ドルに上昇した。
ポネモン研究所の調査では、サイバー攻撃を受けた企業は、初動対応をはじめ、検知、復旧、捜査、被害対応管理体制の強化に支出を強いられ、それに加えて、攻撃被害後の対策(たとえば、顧客離れをくい止めるための特典提供や販促強化)に関連する追加費用の大きいことも判明した。
近年における大型のサイバー攻撃被害の典型例としては、ターゲットやホーム・ディーポ、ソニー・ピクチャーズがあり、それら3社の被害報道と悲惨な実情を受けて、サイバー防衛を強化する企業が増えている。
ポネモン研究所による今回の調査は、1000ヵ所以上のコンピュータ通信網接続を持つ米58社をはじめ、米国や英国、ドイツ、オーストラリア、日本、ロシア、ブラジルの計252社の関連データを対象に実施された。
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