米、手探りの対中政策 国防長官、硬軟両様の旅

 カーター米国防長官は5日、アジア歴訪の主要日程を終えた。東南アジア諸国連合(ASEAN)拡大国防相会議が開かれたマレーシアでは、「航行の自由」を守るため南シナ海の人工島周辺への艦艇派遣を今後も続ける方針を中国側に直接伝達。一方で軍事交流の重要性も確認し、硬軟両様で間合いを探った。中国の自制を引き出せるか、オバマ政権の手探りが続きそうだ。

 カーター氏は5日、マレーシア沖の南シナ海で原子力空母セオドア・ルーズベルトを視察し、アジア太平洋地域での米国の存在感を誇示。南シナ海が開かれた自由な海であることを示す強いメッセージを中国に送り、歴訪を締めくくった。

 1日からの韓国とマレーシア歴訪で、海洋進出を強める中国への対抗意識をのぞかせながらも、南シナ海の領有権問題では「特定の国に肩入れはしない」と繰り返したカーター氏。中国を過度に孤立させるのは得策ではないとの思惑がにじむ。(共同)

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